危機管理

昨日の、イージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」の衝突事故で、
事故発生から石破防衛相に事故連絡が入るまで90分、福田首相に入るまでは
2時間も掛かってしまった事が初動捜索が遅れとなり、自衛隊及び防衛省
危機管理体勢の低さが露呈してしまった。


本来、自衛隊の事故連絡体制には重大事故が起きた時は、その部隊の直属の幕僚長
(今回の場合は、会見をした吉川海上幕僚長)から直接大臣に連絡をする事になっているらしい。
しかし今回の事故では、吉川海上幕僚長は内部部局に先に報告を・・・いや、お伺いを立てしまい
結果、政府内の危機管理センターに情報連絡室が設置するのが遅れ、本格的な捜索活動の
開始が大幅に遅くなってしまった。




何故、現場を収めている部署の長が直接トップに連絡を取れる体勢がありながら、
そのシステムが機能しないのでしょうか?


それは・・・・・・・ 保身 ・・・・・・・


トップに直接連絡をすると言う事は、自らが責任について判断をしなければならない為、
自己責任が大きくなってしまうと言う考えが、働いてしまうのでしょう。








これは何も自衛隊だけではなく、一般社会にも当てはまります。
当然、ガスと言う危険物を扱っている我々ガス会社(東京ガスグループ)にもガス漏れや
事故連絡を受けた時の報告体系及び危機管理体制があります。

「 速やかに、東京ガス保全部(ガスライト24)に連絡を取り指示を仰ぐ。」

しかし、常に正しく機能しているかと言うと・・・・・やや、疑問があります。



頻繁に開かれる、不備・事故事例研究の会議でも、自社で施工した現場での事故連絡を
報告せずに、自らが直そう(隠蔽?)しようとして、問題を大きくしてしまった事例が、
毎回議題に上ります。

事故に自らが係わると、被害や迷惑のかかった方々の事を考えると同時に、
自身の置かれている立場を守ろうとする考えも浮かんでしまうのでしょう。
もしかすると、自らが生き延びる為の人間の本性なのかもしれません。

そして、自分自身を顧みても、やはり自己保身の考えがある事は否定できません。








しかし自衛隊やガス屋だけでなく、土木建築業・ドライバー・医療関係者・・・・・
様々な人々が、命に係わる重大事故を引き起こす可能性を秘めて日々従事しています。
今回のイージス艦の事故を対岸の事とは考えずに、自らの業務に置き換えて
真剣に考えなければならないでしょう。




事故が起きた時に最優先に考え動く事・・・・・被害者・・・・・これ以外にはないのです!





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清徳丸に乗り込んでいた、2名の方が一刻でも早い発見がなされることを心より願っています。