風化などしない

3月11日。

車が横転しそうなほどの揺れ。道路が波打つ様を、初めて見た。

繋がらない電話。妻は次男のお迎えの時間・・・・家には発熱で寝込んでいる娘一人!!・・・・

信号の止まった道。帰宅までの道のりが途方無く長く感じた。

家族の無事を確認し安堵した目に飛び込んできたのは、テレビにライブで映し出される津波・・・・

名取市をまるでジオラマを壊すかのようにのみ込んで行く映像に、思考が停止したかのように

凍り付いてしまった。

恐怖を超えた感情。 自然への畏怖。 人間の無力感。

それまでに築き上げてきた価値観が、音を立てて崩れてしまった日。

忘れることなどできない。

マスコミは、震災が風化していると書き立てる。

復興が進まないと囃し立てる。

その方が記事や、ドラスティックな記事に仕立て上げやすいから。

でも、誰も忘れないよ。

幼かった我が家の次男でも、あの日のことは鮮明に覚えている。

風化などしない。する訳がない。

2万人を超える方々の為にも、前向いて歩まねばならない。

本当の復興とは地味な一歩々の積み重ね。

大きな声を上げずとも、足元を見据え着実に進めて行くことが大事。