ドライバービット比較(6) ベッセル ギザビット
今回は、使用されている方も多いベッセルのギザビットを取り上げます。
ビットの比較方法はこちら
http://plaza.rakuten.co.jp/sytpapa/diary/200705280000/
ビット先端の独特なギザ形状がネジ頭にくい込み、、ドライバーの浮き上がり(カムアウト)
を防止すると、謳っています。
トーション効果については特に記述はありません。
自分の周りでも、このビットを気に入って使い続けている職人もいる位
ユーザー数が多いビットであると思います。
また、自分自身も過去に何度も使用した事のあるビットです。(感想は後述。)
左が一般的なビット。 右がギザビット。
ビット先端にギザギザに段が付いていて、ネジ頭にくい込んでカムアウトを防ぎます。
(1)磁力のチェック。
新品時9g。 10日間使用後5g。
新品時の磁力は9gと強めです。11gも振らなければ付いていました。
しかし、使用後の磁力低下は大きいです。
一般的な低下と言えばそれまでですけど・・・初期磁力が良いだけに、残念です。
(2)コースレッドの締め込み。
ビット剛性が高い為か、振れが少なく安定した締め込みが出来ます。
ただ、インパクト打撃時の衝撃はやや多く感じます。
特徴であるビスへのくい付きには、癖が感じられます。
回転を抑えて締め始めると、刃先がビスにくい付き良好な締め付けが出来ますが、
速い回転で締め始めると、ビス頭を舐め易いように感じられます。
左は30回締め付けたビス。締め方向への損傷が目立ちます。
同じく、カムアウト防止を謳ったタジマ鬼ビットに似た感じです。
右はラフに締めた為、内側を舐めてしまったビス。
(3)ステンレスタッピングビスの締め込み。
くい付きの良さにステンビスが負けてしまうのか、ネジ頭を損傷しやすいです。
また、新品は良いのですが、磨耗し始めたビットでは直ぐにネジを潰してしまいます。
左が新品のビス。右が20回締めたビス。
内側の損傷が多いです。
磨耗したビットで締めると、10回位でネジを完全に舐めてしまいます。
(4)鉄アングルへのドリルネジの締め付け。
ビスの着地時の衝撃は多く感じますが、剛性の高く安定感のある締め付けが出来ます。
ドリルネジには中々相性が良さそうです。
損傷は少ないです。
(5)ビット刃先の磨耗。
左が新品。右が10日間使用後。
刃先の磨耗は、特徴であるギザ形状の為か大きめです。
また、磨耗後の性能低下もかなりあります。
商品パッケージには、「 耐久性抜群 」と記載されていますが、
残念ながら、カムアウト防止性能の耐久性は高くないように感じられました。
(6)総評。
このギザビットは現場でも良く見ますし、知り合いの職人でこのビットが1番良いと言って
これしかしか使わない人もいるほど、良く出ているビットです。
自分も手に入れ易い事もあり、過去何度も使用しました。
しかし、使用感はあまり良くはなかったです。
カムアウト防止ビットと言う事で、ネジ頭を潰し辛い事を期待するのですが、
初期性能の持続力のなさに、ガッカリする事が多かったです。
今回久々に使用してみましたが、印象派変わりませんでしたね。
特に、自分の仕事で良く使用するノープラグビスでの使用では、
ネジ自体が硬く、またビットのくい込みが浅い為、ネジ頭の損傷は少ないのですが、
回転を抑えて使用しないと、はねてしまう事が良くあります。
ビス穴をビットの面がくい込むのではなく、点でくい込んでいる感じがします。
また、上手くくい込んだ時のビス穴の損傷も、かなりあります。
どうやら、このビットの性能を生かすには、締め始めの回転数を控え目にして
ビスにくい込ませてから、締め込み作業をした方が良いでしょう。
そして、ボードビスのような締め付け抵抗が少なく、ビットが深くくい込めるビスでの使用が
適しているのではないでしょうか。
これだけユーザーの多いビットなので、悪いビットではないのでしょうが・・・
自分の使い方に問題があるのかな~
いまひとつ、合わなかったですね。
ギザビット 両頭 (2本組) AZ142110
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次回は、マーベルの新製品、先端スリムビットを取り上げる予定です