職人気質は何処へ?

この前、他の職人から自分の仕事に対して

「こんなに単価が安いのに何でそこまでやるの」

と、言われる事があった。まるで、マニュアル以上の事をされるのが迷惑なんだとでも言いたげに・・・


確かに、現在の建築職人はどの業種も支払い単価が大幅に下げられ、
大手ゼネコンやハウスメーカーの意向で、細分化された仕事を、マニュアルに沿って、
工期内に行う事だけを望まれ、それ以上の仕事は望まれない状態が続いている。

大工にしても、自分の造作仕事以外の事は考えず、設備などの他の業者が入ってくると、
自分の仕事が遅れるため、まるで邪魔者扱いする人が増えてきている。
話をしようとすると 「お前らの仕事を気にする金は貰ってないんだよ!」
と、怒鳴られた事も何度も有る。ま、最近は慣れてきたけどね・・・


ハウスメーカーの監督などは、自社が作ったマニュアル以外の事を聞かれる事を嫌がり、
自己判断をするのを極端に避ける人が多い。



この業界も、上から言われた事だけを行いそれ以外のことには関心を持たない人が増えている。
それは、大工や他業種だけでなく、我がガス業界も同じである。
いや、ガス業界の方が多いかもしれない。
正直、同業者を見ているとガッカリすることが多い。


自分は、職人としての気概を持って仕事をして行きたいと思っているし、
そのように仕事をして来ているつもりである。他の人に疎ましく思われても・・・


いずれは、現在のコスト量ではなく、質が求められる時が来るはずである。
その時、質を求めた仕事をして来なかった職人は生き残れないのではと思う。


職人気質と言う言葉を、もう一度考え直す時期に来ているのではないだろうか。