貧街と富裕街

今日は午前中久々に、寿町のコインランドリーの仕事が入っていた。

寿町は、言わずと知れた横浜のドヤ街である。

まず現場に着いて、駐車位置の確保に手間取る。午前中だと言うのに、道の真ん中で酒を飲む人、
道端で話し込んで、車が近づいても退こうしない集団、いかにもそのスジの方の黒塗りの車、
などが街中に有り、中々車が止められない。

何とか駐車すると、周りから「何しに来た」とでも言いたげな鋭い視線が集まる。
視線を無視して作業を開始する。テキパキと工事を終わらせないと、工具を盗まれたり、
車を悪戯されたりしてしまう。(以前、他の職人が被害にあった事がある。)

現場の前で宴会をしている人を中を通って、素早く工事を終わらせ、片付けもそこそこに、
現場を立ち去る。



午後は、青葉区のイタ飯屋の工事。

横浜の青葉区は、寿町とは正反対の富裕街である。

ここでも、駐車に手間取る。駐車監視委員がウロウロしているのである。
青葉区は、住民がうるさいためか住宅地まで駐車監視重点地域に成っているのである。

離れたコインパーキングに車を止めて、現場に向かう。
洒落た店に入ると、遅いランチを食べているマダム達が、作業着姿の自分を
けげんそうな目で見ている。

厨房内のガス機具入れ替え工事を終わらせて、イケメンのシェフに挨拶をして現場を離れた。




今日は仕事が終わっても、何だか変な感じがする。
横浜を代表する貧街から直ぐに富裕街に行ったからか、いろいろと考えてしまった。

どちらが、幸せなのだろうか? 

寿町の朝から酒を飲み覇気の無い人々、お洒落な服を着て優雅なランチをする人々。
危険な感のあるドヤ街か、お洒落だが人間関係の気薄感のある富裕街か?

どちらも、政令指定都市の横浜に住んでいる人々である。




夜中になった今でも、人の生き方なんて事をガラにも無く考えている。
自分は、どちらにも住めないだろう。両方とも、余りにも極端すぎる。