ドライバービット比較（５） PB SWISS ビット

今回は、スイスのドライバーメーカーPB BAUMANNのPrecision Bitsを取り上げます。


　　　　　　　　　　　　　　　ビットの比較方法はこちら
　　　　　　　http://plaza.rakuten.co.jp/sytpapa/diary/200705280000/








まるでアルマイト処理のような、綺麗なブルーにコーティングされた、
国産のビットにはない高品質な外観のビットです。（　ナノコート加工と言うそうです。　）
この加工により、耐錆性能が向上しているらしいです。

また、衝撃吸収システム（　トーション効果　）は、軸を細くするのではなく、
以前紹介したベッセル　アルファビット のように刃先下の溝部を細くする事で
効果を得ようとしているようです。




　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　左が一般的な形状のビット。右がPBビット。

溝部が２段あり、特に下の溝部が細くなっています。








（１）磁力のチェック。


　　　　　

　　　　　　　　　新品時９ｇ。　　　　　　　　　　　　　　　　２週間使用後３ｇ。

新品時の磁力は９ｇも安定しており、かなり強力です。
しかし、使用後の落ちが激しい・・・正直３ｇも厳しいですね。
初めが良かっただけに、この磁力の低下は残念です。








（２）コースレッドの締め込み。

　

安定した、締め込みが出来ます。
振れも少なく振動も程よく抑えられ、締め込み易いです。
ただ、気を抜くとビスからビットが外れる事があり、
ややカムアウトしやすい感じがします。


　　　　３０回程締めたビスの頭。

やや削れ気味ですが、損傷は少ない方でしょう。








（３）ステンレスタッピングビスの締め込み。

　


振れが少なく、ビス頭の損傷もなく非常に良い感じです。
しかし、それは新品を使用した時であって、２週間使用したビットではカムアウトが多く
ステンビスの頭を潰してしまう事が多いです。
使用後の性能の落ちが、大きく感じますね。




　　　　　　　

左が新品のビス。中央が新品のビットで２５回締めたビス。右が使用済みビットで締めたビス。









（４）鉄アングルへのドリルネジの締め付け。

　

硬度が高く感じ、またビスの着地時の衝撃も程よく抑えられ非常に締め付け易いです。
ドリルネジの締め付けには適していますね。

　　

　　　ビスの損傷は少ないです。


ちなみに、同じようなトーション効果システムを採用しているアルファビットと
締め比べてみましたが、衝撃の吸収はPBよりアルファビットの方が
良く抑えているように感じました。
アルファビットのトーション効果の良さをあらためて感じましたね







（５）ビット刃先の磨耗。

　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　左が新品。右が２週間使用後。

ブルーのコーティングの落ちもなく、また錆も殆ど出ず耐候性は素晴らしいです。
刃先の損傷も目視では殆ど見られません。しかし、ビスへのくい付きはかなり落ちます。









（６）総評。

ブルーに加工され、大変高級感のあるビットです。（価格も￥８００以上して高価です！）
実際に使用してみても、国産ビットには無い耐錆性能、高い硬度、トーション効果の高さ
など非常に良いビットです。

ただ、唯一の欠点はビスへのくい付きが甘い事ですね。
特に、使用していく程くい付き性能が悪くなってしまいます。
個人的には好みのビットなので、この点が凄く残念に感じます

理由を考えてみたのですが、刃先の形状に原因があるのかと思います。



　　　　　　　　

くい付きの良いアルファビットと比べてみると、刃先ののテーパー角度が緩やかです。
このため、ビスへ奥までくい込んでいかないのではないでしょうか。
もう少し角度をきつくすると、良くなるかもしれないですね。
ただし、角度が緩やかなのでカムアウトしてもビスの損傷は少ないです。


でも、このナノコート加工は傷も付き辛く大変印象が良いです。
この加工だけでも、買いかもしれませんよ













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次回は、ベッセルのギザビットを取り上げる予定です