お客様の標準

昨日工事に伺った、お宅でのことですが・・・・・




現場は、年配のご夫婦で昔ながらの食料品店を営んでいる、店舗兼ご自宅。
仕事は、初めてのリフォーム業者からの以来で、お店の奥にある台所の
入れ替えに伴う、コンロへのガスの結び工事。


現場に着くと他業者は既にいなく、昔ながらの古い台所には余り似つかわしくない
人工大理石天板の、システムキッチンが設置してあります。

ガスの1次逃げ配管は親会社の社員が済ませてあったので、コンロ下のキャビネット内で
接続をしようと作業内容を説明すると、お客様からガス栓をシステムキッチンの
天板の上に付けるように言われました。


一枚天板であるシステムキッチンは、金属配管でコンロ下の収納内にガス栓を
設置して、接続工事をするようになっています。
当然、天板上の露出部にガス栓を付ける事は構造上出来ません。
どうやらお客様は、今まで使用していたコンロの後ろにガス栓のある、
昔ながらのコンロ台を想像していたようです。
ガス栓が収納内付くことは聞いていないと、怒られてしまいました。

話を聞くと、どうもリフォーム業者が機種選定の時にきちんと説明をせずに、
今風のシステムキッチンを設置してしまったみたいです。
年配のお客様は、機能ボタン付いているガスコンロや食洗機は難しく見えるようで、
戸惑ってしまっています。









最近の多くのお客様は、広告やカタログまたはネットなどで、
事前に機種をある程度絞り込んでこられる方が増えてきています。
また、機能面にも拘りのある方も多いです。

キッチンメーカーも、そのようなお客様の意見を取り入れた、
高機能な機種をメインに揃えています。
言いかえれば、流行の色や機能の付いた”より売れる”機種を主軸にします。
商売ですから、当然の事です。


そしてエンドユーザーに直接接する、販売店工務店やリフォーム業者)は、
個々のお客様のライフスタイルに合った、機種選定をしなければなりません。
しかし現状を見てみると、業者にとって利幅の高い機種を進めているのが目立ちます。
機種選定を誤ると、便利であるはずの機能も、お客様にとっては
理解の出来ない、怖い存在になってしまいます。
流行りの最新機能が、全ての人に便利な訳ではないのですから。


これからの時代は、今回のリフォーム業者だけ出なく我々自身も、
今の標準をただお客様に勧めるのではなく、年代や生活様式などの、
お客様個々の違いを考え、話し合って、そのお客様にとっての”標準”を
選定出来るように気を配らねばなりません。

30代と60代では、使いやすさの基準が違うのですから。









今回のお客様には設置されているキッチンの作りや安全性、そして使い方と
利便性を1時間近くお話して、納得された上で接続工事を行いました。

いろいろと考えさせられる現場でしたね。










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